あらすじ
あさりはおこづかいを全て使い果たし、財布の中が空っぽ。明日は友達と遊園地に行く約束をしているので何とかしてお金を集めようとしますが、ママとタタミは相手にしてくれません。
「五千円札の人」以上の認識がある人って少ないよね?
あさりは「金は天下のまわりものだ。」という言葉を引き合いに出し、どうして自分をよけて回るのか‥と嘆きます。福沢さん、新渡戸さん、夏目さんを恋しく思っているとあさりの目の前にその三人が順に現れます。
まずは福沢さん。あさりが「学問していない」とわかると怒ってしまい、咸臨丸に乗り去っていきます。
次に夏目さん。「草枕」「三四郎」「それから」「わがはいは猫である」と、代表作を順に述べていきます。
あさり「夏目のおじちゃんて、”草枕三四郎”ってのが本名で、でもって猫だったの。」
264話といい、あさりってどうしてこういう思考回路になるの?
こんな調子なので夏目さんも怒らせてしまいます。
最後に新渡戸さん。「農業本論」を読んだかとあさりに聞きます。あさり逃亡。自分が「メジャーではない」と項垂れる新渡戸さん。ごめん私もあなたのことよく知りません。
次は渋沢栄一ですね
247話以来の「お札の人物とあさりが絡むネタ」ですが個人的にシリーズ化してほしいくらい好き。
とりわけ夏目さんとの「草枕三四郎」の下りは秀逸すぎて爆笑しました。作品名を並べただけですが、あさりにかかればこの通り。ていうかこれを思いついた室山先生すごい。
ちなみに247話であさりは福沢さんに踏みつけられてましたが、今回は夏目さんに蹴りを入れられてます。
本作は「金は天下のまわりもの」というツルゲーネフの言葉から始まり、福沢さん、夏目さん、新渡戸さんが残した代表作、さらに「多くをもつ者はもっとほしくてたまらない。」というロシアのことわざも引用されています。知的なエッセンスとギャグを絡めるのが本当にうまいなあと毎度ながら感心します。
夏目さんと新渡戸さんは既に紙幣のデザインに使われなくなりましたが、福沢さんも再来年で変更です。その時には令和バージョンという事でまた何か描いてくれませんかね(公式Twitterの一コマ漫画でもいいので)?