53巻(874話➖889話)

53巻

「なにがなんでも」ってあんまりポジティブな言葉じゃ無い気がする

874話 「目覚まし裁判」
相変わらず朝起きられないあさり。ママがあさりの布団の周りに7個の目覚まし時計を置きますが、全て破壊されます。
タタミとママであさりを「目覚まし時計壊しの罪」で裁判にかけます。あさりは「弁護してくれる人がいない裁判なんて」と言っていますが、一応その辺の知識はあるのね。

875話 「なんでも班行動」
あさりのクラスの今月の生活目標は「なにがなんでも班行動」。要するに全て連帯責任になるということです。あさりは班のメンバーが自分の失敗のフォローをしてくれることに「班行動最高」と喜びます。
給食ににんじんが出てくるんですが、「食べるくらいなら逆さ磔の方がまし」だそう。そんなに!?と思いましたが、私も大嫌いな牛乳を飲めと言われたら本気で迷うかもしれないなと。

876話 「たしかめたいの!」
あさりは「校長って実はかつらだったりするのかな?」と思い、正座してる時に確かめようとします。
「確かめる」とは言っても、こっそり見てみるとかではなく本人に面と向かって「それってかつら?」とどストレートに聞くあさり。ちなみに校長は毎朝30分かけて髪をセットしてるそう。

877話 「自分勝手なタタミさま」
6年生の児童会長が転校することになり、タタミに児童会長をやらせようという動きが。「委員とか面倒なことは嫌い!勉強の時間を減らされるなんて絶対嫌!」というタタミの勝手な言い分にあさりは呆れます。
タタミが勝手だと非難されるのはわかるんですが、わたしも委員とかめちゃ嫌いなんであんまりタタミのこと悪く言えないんですわ(PTAとかも面倒なタイプ)。

「大食丸」の出番ですよ

878話 「なぜ・なぜ・どーして?」
「きくは一生の恥。きかぬは一生の恥」という言葉を知ったあさりは、周りの人間に質問しまくるようになります。
質問しまくるあさりの様子はイラつきますが、最後のあさりとタタミのやりとりもかなり腹立ちます。

879話 「食べ物さんはお友だち♡」
梅雨。あさりは腐った団子を食べます。「食べ物さんと仲良しだからお腹をこわすことなんてない」とわけのわからない理屈を並べます。
そしてまんまと夜中にお腹を壊します。薬を飲ませたとのことですが、食べ過ぎではなく食あたりなので今回は大食丸ではなさそうですね。

880話 「見ためが大事!」
タタミは本屋で中学生に間違えられます。同じ頃あさりは幼稚園児に間違えられていました。大人っぽく見られたと喜んでいたタタミですが、「おねーちゃんは老けてる」とあさりに言われショックを受けます。
6年生と中学生ならそんなに大差ないだろうとは思うんですがね。しかし4年生が幼稚園児って方がある意味奇跡に近いのでは。

881話 「女の子ってふしぎ」
あさりはクラスの女の子たちがトイレに行く時に必ず誰かを誘って行くのを見て「トイレくらい1人で行けばいいのに」と不思議に思います。
あさりの気持ちはわかります。室山先生も昔からあさりみたいに思っていたタイプなのかな?と思ったり。時代が変わってもこれってまだあるんでしょうか。

小魚も結構うまいけどな

882話 「お化けつきクロゼット」
あさりとタタミは豪華なマンションの一室にいました。あやこちゃんが「うちの賃貸マンションの一室で、一部屋空いてるから夏休み中使っていいわよ」と言ってくれたのです。しかしクローゼットの中にオバケがいたのです。
今回はオバケが2人出てきますがホラーものとは言えないですね。しかし1人目はオバケというより妖怪に見えるんですが。

883話 「 ケンカの原因」
夜、物が壊れる音がしてあさりとタタミが下に降りてみるとママとパパが派手な喧嘩をしていました。あさりとタタミは原因は何なのかと考えます。
パパも意外とやり返すんだなと。しかし扉絵では完全にママの勝利のように描かれてます。

884話 「交代しよう」
あさりが学校から帰ると、うにょのエサの皿にケーキが。あさりは「自分にもケーキがあるはず」と期待しますが、出されたのは小魚でした。
ケーキだと思ってたら小魚ってさすがに落ち込むだろ。しかしあさりも犬のエサを奪おうとするとか。拾い食いすることもあるらしいので免疫がついてるのか?

885話 「棒倒ししたーい!」
桜貝小の運動会で、5、6年生の男子が棒倒しをやることに。何としてもやりたいあさりは校長に直訴しに行きます。
棒倒しって見たことがないです。パパが「昔やった」と言っているので昔は運動会であった競技なんでしょうか。しかし危ないですね、これ。

886話 「 いばらちゃんいらっしゃーい」
あさりが1人で留守番することに。新聞の集金が来る可能性があるため、出かけることもできません。学校の友達に電話してもことごとく「予定があり遊べない」という返事。あさりは悩んだ末にいばらを家に招くことに。
いばらはあさりの家で高飛車発言連発。あさりはむかつきながらも一応対応してます。いばらの他のクラスメイト達の接し方が気になりますね。

887話 「マイフレンドフォーエバー」
とある総合病院。少年が病室のベッドに横たわりながら、あさりがうにょと中庭でやり合っている騒がしい声を「楽しそう」と微笑ましく思っていました。なぜあさりがそんなところにいたのかというと、タタミが歯の治療で通っており、うにょの散歩のついででついて来ていたのです。少年はあさりの声を聞きながら「会ってみたい」と思うようになります。
以下ネタバレ感強めです。この話は非常に反響が大きかった作品で、好きな話のアンケートでは3位だそう。室山先生自身も異色の作品であるとおっしゃっています。3回も描き直したのはこの話が初めてということもあり、印象に残っているそうです。読者の感想も「泣いた」というものが多かったようですが、それもそのはずで、この話は「死」を真正面から扱っているのです。
偶然かもしれませんが、この話の前話の886話であさりが「だれとでも友達になれるところがえらい」と神田先生に褒められている描写があります。今回はまさにあさりのその取り柄が全面に出ているのです。普段の作品とは全く違う切り口であさりの魅力を描いたということでしょう。
あまりに悲しいラストですが、救いはゼロなのかと問われると私はそうは思いません。少年はあさりの元気な声のおかげで初めて人生に彩りが与えられ、最後にあさりの顔を見ることもできたのです。あさりの最後の涙ながらのセリフも、少年からするととても喜ばしいものではないでしょうか。
後期の作品は、キャラが増えたり、学校生活が中心になったりと話のバリエーションが増えるわけですが、こういった「笑いゼロ」の作品が出て来たのもある意味当然の流れでしょう。長く連載されているギャグ漫画には、必ずといっていいほどこういった異色の作品が存在しますが『あさりちゃん』の中ではこの作品がそれに該当します。室山先生は「あさりみたいなのばっかり描いてると飽きるからたまには美少年を描きたくなる」とおっしゃってましたが、こういったシリアスな作品も時には描いてみたくなったのかもしれないなとも。室山先生の振り幅の広さがわかる作品でもあるので、初期の作品しか知らない読者にも一度読んでもらいたいと思う内容です。

888話 「コギャルあさり!?」
あさりは女子高生の真似をして「チョベリバ」「MK5」などの略語を使い、ママに怒られます。
コギャル世代ドンピシャの私は懐かしくて震えます。しかし扉絵に「このマンガは時間が経つと意味がわからなくなります。」と描かれているように、完全に流行りものです。ちなみにコギャル世代の私でもこんな略語全然使ってませんでしたけどね。

889話 「あさりちゃんのミッシングワールド」
最後はファンタジーで締めです。『どろろんぱっ!』でお馴染みのアンジーが登場。あさりとタタミは自分の中の足りないものを手に入れるべく、ミッシングワールドという世界に入ります。あさりの場合は「勉」「知」など、タタミは「泳」など、自分の欠点をなくすべく奮闘します。
40ページほどの中編で、室山先生お得意の神話などをからめた内容です。ママやパパが出てきたらもっと盛りだくさんだっただろうと思います。先生も描いてて楽しかったと言ってましたし、こういった作品を見ると、やはり大長編が読みたくなりますね。



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