初の社会問題をテーマにした話?
「この男女平等の世の中で、こんなことが許されるのか!」
序盤のあさりのセリフです。大それた事言ってますがあさりは今回も平常運転です。
女の子は損?
あさりはパパとママの会話を盗み聞きしたことをきっかけに、あさりは今日から自分は男になる!と決意。一人で盛り上がってるあさりにタタミはこう言います。
「バカタレッ。性転換はお金がかかるんだぞっ。」
この人も色々とずれてるようです。
作者も記憶に残っている話なよう
この作品は「デジタル版限定 室山まゆみセレクション」に収録されています(リンクから無料で読めます)。このセレクションには3話収録されていて各話に室山先生の解説が書かれています。それによるとこの話は当初はパパの話を聞いたあさりが泣く、という話にしたそうですが、担当さんの反対意見を取り入れて変えた、とあります。あさりの性格付けに大きく影響した話との事ですが妙に納得する部分がありました。確かにあさり位の年齢で、パパのセリフを聞いたら泣くのは不思議じゃ無いと思います。「あさりが男になろうとする」まであさりがどんな心情だったのかで作品の印象は大きく変わってたでしょうし、あさりに対する読者の印象も全然違っていたでしょう。まだ7話目ですしキャラ設定が定着するまで模索してる部分もあったという事も窺えます。こういった原作者からの製作の背景を聞くと面白いです。
男になりきったあさりはママの前に現れて色んな行動を取るんですが、「一体あさりの思い描く「男」ってどんな人物像なんだ?」と。いずれにせよ、男というものに対して持つイメージは貧困なものばかりです。この時にあさりとタタミはいつもと一味違う喧嘩(?)をするんですが、心なしかちょっと楽しそうで、微笑ましく見えてしまいました。
内容が内容だけに、後にも先にもこれきりしか出てこないネタだろうな、と思います。上述の作者の解説を読んだということもあり、大人になってから新鮮な気持ちで読めました。
今は令和
この話は「女の子なのに」「性転換」「差別」というワードが出てきてますがある意味この時代だからこそ描く事が許された話だった気がします。今の時代にこの話のセリフを一言一句そのままで現代に書かれたものとして世間に公表したら、炎上しかねない話かも?と思ってしまいました。
おわり
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あさりちゃん(第1巻) (てんとう虫コミックス) [ 室山まゆみ ]
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