62話 たなばたとタケどろぼう

浜野家の七夕にロマンチックさは皆無

前回は梅雨の時期と思われる話でしたが今回は七夕です。季節感のある話が続きます。タタミの悪どさは、季節関係なく炸裂してますが今回はとりわけ酷いです。

タイトルにある「どろぼう」の正体

七夕に立派なササを欲しがってるあさりに、どうせならササよりタケを、と言いあさりをタケやぶに連れて行きます。タケを取ってはいけないという注意書きがあり、あさりは戸惑います。が、タタミに背中を押されてあさりは盗む事に迷いが無くなります。こんなの持って帰ったら出どころが疑われるだろ。

タタミはタケやぶの外へ出て大声で「たけどろぼー」と叫びます。あさりはそのせいで近隣住民等に追いかけられ、酷い目に遭います。45話でタタミの行動はこれから更に酷いものが出るのか、と書きましたが今回はタタミ至上一番のクズ行動ではないかと思います。

タタミの行動をじっくり考えてみる

タタミの行動を順に整理すると
①タケヤブに誘ったのはタタミ
②タケを取ってはいけない事はタタミもあさりも知っていた。
③タタミはあさりに盗む事を後押しする。

ここから盗みの「実行」をしようとしたのはあさりですが、そこに至るまではタタミの行動が大きく影響していて、完全に共犯では?さらに

④ドロボウと叫んであさり1人がやった犯行のように見せかけた。
⑤「ドロボウを見つけてくれたお礼」としてタケを貰う(タタミの内心は「やった!」)
人間のやる事か?

かなり前に見たテレビ番組(クイズ番組だったかも?)で昔のアニメから違法性のあるシーンを紹介する、というのを見たことがあります。例を挙げると、「巨人の星」の花形満が小学生の時から車を乗り回していたり、星一徹が木造の長屋で燃えてるボールをノック、等のシーンがどれだけの罪になるのかといった風に紹介されていました。今回のタタミの行動も違法性があると思うんですがどうなんでしょう(タケを取ってはいけないとわかってて盗もうとしたあさりも当然非はありますが)。もし法的にアウトであさりよりも罪が重いとすると、「酷い姉」という次元の話ではなくなります。

最終的にタケが手に入ったわけですが、この策は完全に諸刃の刃かと。しくじってたら逆さはりつけじゃ済まないでしょう。

今回も細やかな演出あり

タタミにタケをくれる男性が着てる服がパンダの模様になってます。タケを管理してる人だけにパンダなのか?このパンダはいつもあさりが使っているティーカップなんかに描かれてるものと同じ絵です。こういうの、ちょっとほっこりします。タタミの悪事で荒んだ心がこれで少し洗われます。

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