この家に往診に来た先生も運が悪い
あさりがものすごく苦しそうにベッドで横たわる絵から始まります。あまりの苦しみ方にママもタタミも心配しますが、往診に来た先生の診断は「ただの風邪」。ママはこんなの苦しんでいてそれはないだろう、とヤブ医者呼ばわりします。先生の胸ぐらを掴んじゃダメだろママ。熱は37度台で、本当に大した事がなかったわけですが、このあさりの大袈裟な苦しみ方が思わぬ事態を引き起こします。
最後の最後で、ママが最高
タタミがママに頼まれ、氷嚢を変えにあさりの部屋に行きますが、ドアを開けてタタミは絶叫します。
ザ・死神です。間抜け面で、何故か関西弁で話します。あさりがあまりに苦しそうだったので魂を抜きに来た、とタタミに説明。あさりはそれを聞いて自分は元気だとアピールしますが、死神は信じてくれず、あさりの魂を連れて行こうとしますが、タタミが必死で止めます。あさりはそれを自分に対する愛情から来るものだと喜ぶんですが、
タタミ「あさりにはこの二年間で二万八千円の貸しがある!」
あさり「うそだ〜っ、借りたの六千円くらいだもん。」
タタミ「残りは利子だ〜っ。」
人間一人の命がかかってる状況であくまで金のやり取りです。ここでも闇金タタミぶりがわかる発言が出てます。大した借金じゃなかったらそのまま逝かせてたのか?
その後タタミは死神と死闘を繰り広げますが、その戦いっぷりに、タタミすげーな、と思って読んでたんですが、その後部屋に入って来たママが死神を強盗と勘違いし、怖がって叫びながら右ストレートを喰らわせ、死神即死。
死神が出るということだけは記憶にあった
8巻は記憶に残ってない、と何度か言ってましたが、面白いです、この話。今さらって感じですが。
死神って言うと重々しい雰囲気を想像するんですが、外見と関西弁のせいで、胡散臭い事この上ない。怖く描く事ももちろん出来たでしょうが、あんまりリアルだと洒落にならなそうですからね。死神のキャラは強烈なので、それだけでも印象に残りやすい話でもあります。今回はタタミがかなり活躍する話で、借金のやり取りとかも面白かったです。ある意味あさりの影が薄い話とも言えますが、全体的に見て8巻の中では最もおすすめの話です。
この話なんですが、「とびきり特選あさりちゃん(3)」に収録されてるんですが、室山先生が40周年記念に10巻ごとに1話選んだ「室山セレクション」の方にも収録されてます。読者からも反響があったり、室山先生自身も面白いと思う話なのかな?と思ったりしました。セレクションは公式サイトで公開されてるので、今回の話もこちらから読む事ができますので、是非。