139話 あさりは恋のキューピッド

タタミのガチな恋

これまでタタミが男の子と遊びに行くエピソードは数あれど、今回はいわゆる「本気の恋」の話です。

タタミが部屋で号泣しているシーンから始まります。タタミの話によると、隣のクラスの山川くんという男の子が来週転校してしまう、との事。タタミはずっと山川くんの事が好きだったらしく、転校がショックで泣いていたのです。これだけ泣くって相当なものです。

対するあさりの反応

山川くん、という名前を聞いてあさりは顔を思い出します。

「しってる、しってる、女の子みたいな顔した子だ。ナヨナヨしてて、スポーツがへったくそなの。男のくせに、とびばこ六段とべないの。」

と、うへへへと笑いながらからかいます。しまいには、あんなのが好きだったの?、とタタミに言い出す始末。で、ママから鉄拳制裁をくらいます。
その上、メガネとヅラまで用意して、タタミと山川くんに扮して茶番をやり、タタミからも同じく鉄拳制裁。からのママからも追加でさらに鉄拳、という状況になりますが、あさりの行動は情状酌量の余地無しです。あさりによると、「慰めようと思った」そうですが、この想像力の無さには脱帽です。

タタミ、山川くんに思いを伝える

あさりは何と勝手に山川くんに電話し、その結果タタミと山川くんが二人で会う事に。タタミは約束の日に山川くんに会い、本人から直接胸の内を聞くことができます。別れ際、山川君は笑顔で

「あ、そうだ、きみのいもうとかわいいね。」

という信じられない言葉を口にします。

期待以上の事をしてくれるあさり

「好きな男の子がいなくなっちゃう」という事で「落ち込んでるタタミ」がずっと描かれてます。6年生でこれだけ本気の恋をするとは。山川くんのルックスは確かに女の子のような顔なんですが、美少年である事には違いありません。タタミが面食い、というのはここから既に描かれてますね。

落ち込んでるタタミと対照的にあさりの行動は、どこかのセクハラ親父に勝るとも劣らないデリカシーのなさ。何においても「さすがにここまでひどくないだろう」というものをいつも上回るあさり、さすがとしか言いようがありません。

最後はあさりのおかげ(せい?)で、タタミは山川くんと二人きりで会う事になりますが、あの状況で最後のあのセリフ、山川くん、それはないだろう‥と思ってしまいました。今回はタタミの乙女なところが思いっきり出てたわけですが、最後にはちゃんとオチがあり、山川くんがどういうつもりであのセリフを言ったのかもわかります。

タタミの号泣、あさりのからかい、そして告白、という流れですが、ページ数は普段より若干多めですが、読み応えがあるので9巻の中ではお勧めの回の一つです。何よりタタミが告白するって話ですからそれだけで読む価値はあります。山川くんにセリフの真意の確認なども含めて、読んでもらいたい回です。


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