147話 〈大長編〉あさりの千一夜①

10巻の目玉です

あさり=ことばをしゃべるサル?

物語はあさりがオーレル王国の国王にさらわれるところから始まります。

浜野家には札束風呂が出来そうな位の万札が送りつけられますが、それはオーレル王国の国王からのあさりの代金でした。以下、同封されていた手紙全文。

「おたくで飼っているめずらしい、ことばをしゃべるサルをいただきました。とりあえず代金はこれだけお支払いします。不足分はいかほどでもお申しつけください。」
オーレル王国国王シークアーメッド

タタミはもっとふんだくろう!と喜びますが、ママはあさりがさらわれたのはタタミの責任だと激怒。

あさりがさらわれた経緯

遡ること一週間前。町内の子供会で老人ホームの慰問で桃太郎の劇をやることになり、あさりはサルの役をやる事に。監督と脚本と演出を担当するタタミは、あさりのサルの芝居が下手だとダメ出ししまくり。サルになりきれ!というタタミの指導により、あさりはどこから見ても立派なサル、というところまで進歩します。タタミは自分の指導によるものだと満足。あさりも本物のサルのようになれた事に感涙。自分で書いといてなんですが、サルに近くなったってのは、進歩というより退化という方が正しい気がします。

という事があったんですが、国王は大の珍しいものが大好きで、あさりの事を「ものを話すサル」だと思い込み、「珍しい!欲しい!」からの、あさりをさらう、という行動に出たわけです。

実際こういう国あるよね(多分)?

ここでまずオーレル王国とはどんな国か、という情報なんですが
・太平洋にうかぶ小さな島
・最近大きな油田が見つかる。石油成金王国ともよばれる
・人口は10万を割るが、石油とダイヤの産出がすごい
・国王のシーク・アーメッド王は珍しいものが大好きで世界中の珍しいものを集めている。

という情報を聞いたママとタタミが出した結論は、あさりを取り戻しにオーレル王国に行き、あさりをさらった罰として、お金やダイヤをふんだくる。もしあさりが国王のもとでごちそうや財宝に囲まれて帰りたがらなければ、自分たちもサルの着ぐるみを着て「母ザルと姉ザル」として一緒にオーレル王国に居座る、というもの。

何というか、仕事が早い

さんごママはぶれない(褒め言葉です)

今回は大長編の最初、という事で基本情報の説明が多くなりました。序盤はママとタタミの目がいつもと違う絵で描かれてます。

こういった心理描写はなかなか斬新ですね。

とにかく二人の底なしの欲深さよ。前回の大長編でもママは「専務婦人」というワードで、決断を180度変えてましたが、今回もダイヤというワードを聞くや否や、あさりを早く助けに!から、ダイヤをふんだくる!に完全に思考がシフトしてます。「母ザルと姉ザル」云々ってのもママの案ですし、やはり考える事が違いますね。個人的にはこの時点でママが炸裂していてこの段階で最高に面白いです。

次回はママとタタミがオーレル王国へふんだくりに、もといあさりを助けに行きます。アーメッド王も登場します。

に続きます。


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