卒業して早々に処分した気もする
あさりとタタミが「よい子手帳」なるものをママから渡されます。中学や高校の時に生徒手帳ってのがあったな、と読みながら思い出しました。校則とか色々書いてあった記憶がありますがこの話を読むまで存在を完全に忘れてました。まあそれだけ人生に何も影響を与えないものだったって事ですかね。
手帳のもとでの独裁国家
今回はママネタです。あさりとタタミが、ママが作った「よい子手帳」というものに支配される訳です。よい子手帳とは何ぞや?と言う話なんですが、「帰宅したらすぐ靴を揃える」「お手伝いは進んでやる」といったように、いわば子供の生活マニュアルといったものです。学校でも家でも事あるごとに手帳通りの生活を強いられてあさりもタタミも我慢の限界。ママはママで自分で作った「よい母の手帳」があり、ちゃんとそれに従って生活してると言うのです。しかしママの生活態度があまりにもひどい。と言うわけであさりとタタミ、「ママの手帳の中身を見てやれ」作戦始動。つってもママが入浴中に脱衣所に置きっぱなしにしてた手帳を二人で見るってだけの話なんですが。ていうかママ、意外と脇が甘い。
そしていざ手帳の中身を見ると、何と中身はほぼ白紙。しかし最後の方にだけこう記されてました。
「よい母はつねに 臨機応変」
これに対しタタミ
「すなわちその場しだいてきと〜にやる‥ってこと。」
まさしくこの解釈が正しいですね。
作詞作曲者不明のわらべ歌
話の系統としては106話が一番近いです。ママの身勝手さが出てるという点が共通してますね。ママが作った手帳による強制力にあさりとタタミが反発する、と言うのが話の軸になってるんですが、見どころが多いです。
例えば冒頭のあさりの学校生活が出てくるところ。あさりがいつもと違って学校できちんとした行動を取っているわけですが、クラスメイトの反応から、普段の悪ガキぶりが伝わってきます。さらに極め付けは神田先生の職員室でのこの呟き。
「天変地異か、第三次世界対戦か‥。浜野あさりが授業中一度もいねむりやよそみをしなかった。なにか、異変のおこる前ぶれに違いない。」
周りにいた先生達もこの言葉に驚きます。本人がいないとは言え、かなりひどい事言ってません?
さらに家での一コマ。あさりはトイレに入ったが紙がない、というシチュエーションに遭遇。しかしこの状況でも手帳を見るようにとママから言われ見てみると
「トイレに紙がなかったら 元気よくこの歌をうたおう。」
とあり、あさりが歌ったのは何と「みっちゃんみちみち」の歌。ママは「冗談よ」との事ですが、これは冗談のセンス悪すぎでは?ていうかこの歌、今の小学生も歌うのか?
とまあ、こんな感じで情報量の多い回です。いつもよりページ数が多めですが本当に無駄がなく、かつ笑うポイント多し、です。何より最後の「臨機応変」が秀逸。自分の好きなように生活する事を四字熟語でそれっぽく書いてあるところがもうね。前述した106話と比較すると今回の方が圧倒的に面白いです。私のようなママ好きの読者じゃなくてもこの話は楽しめるんじゃないかと。
話の内容とは直接関係ないんですが、あさりとタタミが二人で並んで「休め」の姿勢を取ってるシーンがあるんですが、絵的に何か好きです。