546話 あさりちゃん+どろろんぱっ!          あさりっぱっ!

33巻

まずはどろろんぱっ!の説明から

33巻ラストの作品は漫画雑誌「ぴょんぴょん」で連載されていた「どろろんぱっ!」とのクロスオーバー作品になっています。レビューの前に簡単にどろろんぱっ!の登場人物の紹介をしておきます。

★小野小町(おの こまち) 百年前に死んだ浮遊霊。あんこの家に居候している。大した能力がないため「のーなしおばけ」と言われている。黒髪に和服姿。
★大福寺あんこ(だいふくじ あんこ) 六年生の優等生の女の子で気が強い。ロングヘアをいつも三つ編みにしている。

あらすじ

あんこが風邪を引いて高熱を出してしまいました。あんこは小町に「宿題をやってほしい。私のような優等生が宿題忘れなんてかっこ悪い。」と言い出します。しかし小町は勉強が出来ません。するとあんこが「先日六年生の学力テストがあり、桜貝小の浜野という子が自分をおさえて一番だった。その子に頼んでやってもらってちょうだい。」と提案。小町は浜野家へと向かいます。

私もそのパウンドケーキ食べてみたい

日曜日のためタタミは外出中。あさりはタタミの部屋で一人フィーバー。その状況で小町が壁からすり抜けてあさりと対面。小町は完全にあさりがタタミだと思い込みます。おばけらしく脅かして宿題をややらせようとするもあさりには全く効果なし。それどころか小町がおばけである事を利用してやろうと考えたあさりに「エスカルゴのパウンドケーキを一箱持ってこい」というとんでもない要求をされます。

そこへタタミが帰宅。小町は自分の勘違いに気づいてタタミに宿題をお願いします。が、「片思いしてる中学生の男の子に手紙を渡してくれたらやってあげる」とまたも条件を突きつけられます。
それぞれの要求があさりは食べ物関係、タタミは恋愛関係ってとこに二人の性格が出てるわけですが、お前らそれでいいのか(色んな意味で)?

大きいお数珠を見るといつもこの漫画を思い出す

読み終えてすぐ「久しぶりにどろろんぱっ!読みてえ」となりました。

冒頭ではお馴染み、あんこによる小町への罰である「お数珠締め」が登場。「小町とあんこと言えばやっぱこれよね」と、のっけから一人で喜んでしまいました。小町が頑張って心霊現象であさりを怖がらせようとして失敗するところとか「美少女おばけ」と自称するところにあさりと通じるものを感じながら妙に可愛く見えます。私が年を取って小町が娘のように見えるようになったからなんでしょうが。

内容に関しては一言で言うと小町があんこのみならずあさりとタタミに振り回されてる話ってとこかと。あさり達の世界に小町が介入した目的が「あんこの宿題をタタミに頼む」というものだったわけで。作中でも少し描かれてますが小町はあんこに自分の弱点を握られているので無碍に嫌だとも言えないわけです(あんこを慕う気持ちもちゃんとあるが)。それ故に小町はタタミに対しても終始腰の低い態度を取り続けます。そしてその二人の横で空気と化しているあさりが物悲しい。

あんこは序盤で寝込んでしまうため、あさりとタタミに絡むのは小町のみになっています。そのため「せっかくのクロスオーバー企画ならもっと他の登場人物を絡ませた話が見てみたかった」と思う読者もいるのではないかと思いますが、あるんですよね、これが。

ぴょんぴょんで企画されてた連載作品です。

こちらの作品では両作品の主要キャラがほぼ全て登場してるんですが、それ故収拾がつかなくなるっていう。

一応言っとくと先生の心霊体験は普通に怖いです

今更なんですが私はあさりちゃんだけでなくどろろんぱっ!もめっちゃ好きなんですよね。
せっかくの機会なのでちょっとだけどろろんぱっ!の魅力についても語りたいなと(ただやりたいだけ)。室山先生は単行本一巻の見開きで「哲学的なことはまるきり関係ないあほらしいオバケのおはなし」と紹介してますが、なかなかどうして奥が深い漫画だと思いますがね。

あさりちゃん同様一話完結のギャグ漫画で毎回のようにおかしな霊が登場して騒動を起こします。室山先生の心霊体験エピソードも描かれていて、当時も興味深く読んでました。あさりちゃんのホラー回の魅力が詰まってると言えば伝わるでしょうか。

能天気な小町と優等生のあんこの関係はあさりとタタミのそれを彷彿させます。しかし二人は姉妹ではなく「ある日突然変なやつが居候」から始まった同居人(おばけだが)。あんこの小町に対する第一印象は最悪ですが、一緒に過ごすうちに友情が深まっていきます(月9のようだ)。しかし「変なやつ」には帰るべき場所があるのが常です。小町にとってのそれは成仏して天国に行くこと。クライマックスでは小町がどんな決断をするのかがあんこを思う気持ち共に描かれています。その際あさりちゃんではあまり見られないようなシリアスな描写が見られます。

このクロスオーバー作品のおかげであさりちゃんだけでなくどろろんぱっ!の魅力までこのブログで伝える事が出来て嬉しい限りです。
というわけで久しぶりに読みたくなったのでポチります。

次回から34巻に入ります。


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