560話 惑星二テラ

34巻

あらすじ

ここは惑星ニテラ。絶対権力を持つ皇帝が病に倒れ、若き皇子が帝位についた。皇子によりニテラの醜い人間は全て「ぶす地区」に行かなければならないという「ぶす排除計画」をというものを打ち出されます。ブス地区に入れられ怒ったアサリとたたみは皇子の暗殺を企てます。

「テラ(地球)に似てるから「似地球」というわけではない」とのこと

まず先にお伝えしますと「アサリ」「たたみ」となっているのは誤字ではありません。あくまで舞台は地球ではなく惑星二テラであり、アサリとたたみはニテラ星人であり「あさり」と「タタミ」ではないのです。しかし名前の表記が変わった以外何も変化はないのでいつものあさりとタタミだと思って読み進めてくれれば良いです。

アサリ達は「美人測定器」という機械を使って美人かぶすかを判定されます。ちなみにママの評価は「首から下はブスじゃない」
そしてめでたく(?)アサリ達はぶすと認定され、ぶす地区に移送されます。ちなみにぶす地区のメンバーには室山先生本人や、「ハッピー・タンポポ」「すうぱあかぐや姫」のキャラもさりげなく混じっています。

ぶす地区は全体的にどんよりした場所。さらにぶす地区の人間は結婚も禁止、少しでもぶす地区から出たら銃殺、というとんでもない決まりが課せられます。

アサリ「ちょっと顔が個性的というだけで、人間としての権利をうばわれていいものだろうか!?」

と、怒りに震えるアサリとたたみ。「あんなぼんくら皇子が帝位についたせいだ」という事で二人は暗殺を決意。皇子の元へ乗り込みます。

三十年前にこんな作品を描いていたとはさすがです

「ルッキズムって何?」と聞かれたらこの話を読ませると手っ取り早いと思いますね。

本作の皇子は完全なるルッキスト。それに対しアサリからは上述したように「ぶすというだけで人権を奪われた」という怒りが描かれ、さらに終盤では「美意識は人それぞれ」という台詞がたたみから発せられます。

これまで美醜をテーマにした回は

・美容整形したい(86話
・美人の友達が羨ましい(269話410話

という「もっと綺麗になりたい」という願望を描いていたものです。言うなればいかにして自分が美人側の人間に近付けるかって話だったわけです。しかし今回は「ぶすにだって権利はある、差別されるなんておかしい」というアプローチ。まああさりとタタミもブサイクな男子に対してはいつも厳しいけどな(田西とか)。

しかし同じルッキストでも美大和(514話参照)みたいな人間は鏡を見てれば満足ってタイプなのである意味幸せですね(性格に難ありだが)。

次回で34巻最後になります。


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