59話 モデルはこりごり

美術にまつわる黒歴史(渚にまつわるエトセトラ風に)

あさりが絵のモデルをやります。私は絵を描いたりするのが超苦手な上に中学時代は美術の先生と折り合いが悪かったため通知表は酷いものでした(後に緩和)。

タタミ画伯

あさりはタタミに三千円の借金があります。タタミから図画のモデルをやってくれるなら借金を帳消しにする、と言われ引き受けます。早速デッサンを開始しますが、タタミがあさりに取らせたポーズはかなり無理があるものです。グラグラするあさりにタタミは動いてはダメだ、と怒ります。タタミ、このポーズで何を表現したかった?

おやつ休憩を挟み、再びデッサン開始。満腹になったせいもあり、あさりは楽なポーズを取っていました。タタミはさっきと違う、とダメ出ししてあさりの身体を曲げたりして中国雑技団のようなポーズを取らせます。さっきと丸っ切り違うじゃねえか。

結構デッサンは進んでるようだが、今から一から描き直す気か?あさりがこの時かなり苦しそうな顔をしてるんですが、今まで見せたことが無い顔です。このポーズと表情の組み合わせ、結構ツボです。

三千円分の労働をしたあさり

疲れるポーズだったとは言え、タタミはたかだか100円の借金であさりを奴隷のように扱うような人間なので(5話参照)、それが帳消しになるなんて安いもんじゃないでしょうか?

デッサンにどれ位時間をかけたのかよくわかりませんが仮に3時間として、あさりは実質時給千円でバイトをした事になりますね。最終的にタタミは喜び、あさりは散々、というパターンで終わるわけで、いわゆる「普通のデッサンモデル」では済まなかったわけです。そう考えると時給千円は妥当なのかよくわからなくなります。

そして最後に学校の子達が少し出るんですが、あさりに対して言ってる事が結構酷いです。

リアルな絵画モデル事情

以前読んだ雑誌で、女性漫画家の方がデッサン教室に通っていた時の事を漫画にしたものが掲載されていたんですが、モデルさんによっては非常にサービス精神旺盛な方もいて、描き手が要求しなくてもものすごいアクロバットなポーズを取ってくれる事もあったそうです。そのポーズと比べるとあさりの取らされたポーズなんてかわいいものに思えます。

もし自分が絵画モデルをやるとしてどの位の報酬ならやるだろう?と考えたんですが千円ではまずやらないです。

おわり

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