247話 さよなら太子ちゃん

帰省しても見てみたいとは思わない

今回の話は1984年に描かれたものなんですが、この年は一万円札の肖像が聖徳太子から福沢諭吉に変わった年でした。80年生まれの私は聖徳太子時代の一万円札は全然馴染みがなく、一万円札=福沢諭吉、というイメージが刷り込まれています。実家に聖徳太子時代の古いお札が残ってると母が言ってましたが、何かもうカビてるんじゃないかと。

諭吉さんが絶対言わないであろうセリフ

あさりはもうすぐお札が聖徳太子から福沢諭吉に変わるという事で「太子ちゃんは一度も私の元には来てくれなかった!」と、至極ばかばかしい事情で泣くところから始まります。この後あさりは念願の太子ちゃん、もとい一万円札を手に入れます誰かにもらったとか稼いだとかじゃありません。ネコババです。

その日の夜、あさりは夢を見るわけですが、福沢諭吉が出て来ます。

福沢諭吉「天は人の下に人を造らずーなれど、人の下にネコババあさりをつくる!」

と、言いながらあさりを踏みつけます。何これ。

お札を見るとこの話を度々思い出す

広く言えばあさりの金欠ってのがテーマなわけですが、お札が変わることに絡めて、あさりが聖徳太子との別れを心から悲しんでる、という切り口にしてるところが面白いです。
悪い事をした時に悪夢を見る、というのは賽銭ドロをした時もありましたが(81話参照)、今回の夢はまさかの福沢諭吉に折檻されるというもの。しかもその後ろで聖徳太子が「誘拐された」と泣いてる、というカオスっぷり。お札には肖像画の人物の人格があるかのように描いて、しかもギャグにするってすごい。かなりインパクトのある回です。

今回の話、公式サイトで無料で読めます。非常に面白いのでまだ読んでない方は是非こちらから。


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