この時期の絵は個人的に好き
ここから20巻です。表紙はあさりがめでたいなギツネのように両手にセンスを持ってます。裏表紙共々、コメディタッチのイラストで、これまた絵がアップグレードした感があります。
リアルな話をすると、野鳥は触らない方がいいです
単行本一発目は動物ネタになります。その動物は何かと言うとスズメ。
あさりが部屋でおこしを食べていると、開けっ放しになっていた窓に一羽のスズメがやってきました。あさりがおこしを分けてあげると喜んで食べます。あさりはそのスズメにチュン太郎と名付け、明日もまたおこしをあげる、と約束します。チュン太郎もあさりに懐きます。翌日、チュン太郎はメスのスズメも連れてきます。またその翌日、小さなスズメも一緒に三羽であさりの元へやってきます。以下、バイバインを彷彿させるようなペースで日に日にあさりの元に来るスズメが増えていき、最終的に50羽ほどのスズメ達が食べ物を目当てにあさりの部屋に来るようになってしまいます。
しかしすぐにタタミにスズメ達の事がバレてしまい、それをきっかけにタタミはスズメ達からの攻撃を受けてしまいます。タタミはあさりに対して怒りを露わにしますが、その横でママとパパはヒッチコックの「鳥」という映画を引き合いに出し、若かりし頃に一緒に見た映画の話に花を咲かせる、というボケっぷり。
なんだかんだありながらも結局このままではダメだ、という事でスズメを何とかするようにとパパからも説得されます。あさりは泣く泣くスズメ達を河原に連れていき、もう自分のところへ来てはダメだ、とスズメ達に伝えてお別れをします。
そしておこしの第一印象が「ダサい」になってしまった
「動物ネタは間違いない」と思ってる節があるんですが、やっぱ面白い。
これまであさりは何度も動物や虫を勝手に拾っては手放してきましたが、今回もやはりスズメ達とはお別れが待ってるわけで。あさりが最後に「メルヘン」と言ってましたが、確かに今回はこれまでの動物ネタの中では一番メルヘンチックで、なかなか感動的です。
しかしそこに至るまでのあさりとスズメのやり取りや、河原に向かう時のあさりとスズメの様子など、いちいちギャグを挟んであり、とても濃厚な14ページとなってます。
で、スズメとは関係ないんですが、この話で「おこし」というお菓子を初めて知りました。さらにあさりが、おやつが頂きもののおこししかない、という状況に文句を言うんですが
あさり「だっせ〜。だれだよ〜、こんなもんもってくんの。きょ〜びおみやげっていったらクッキーとか‥。」
という言い回しが妙に印象に残ってて「今日日」という言葉を聞くとこの話をすぐに思い出します(それにしても可愛げがないセリフ)。
大人になってからもそんなに食べた事がない
あとは上述したヒッチコックの「鳥」。これまたこの映画の話になるとすぐに思い浮かべるのはやっぱりこの話です。
名作だけど見た事ありません
色々書きましたが、こうして見るとやっぱり濃いですね、この話。