少しでもこの作品の良さを伝えたい
「男のスカート」というなかなか攻めた内容の話です。個人的に273話や322話に匹敵するくらい絶賛の作品です。
あさりの妄想であって本当にはいてる訳ではありません
あさりは学校で友達とファッション誌を読んでいました。すると誌面で「男のスカート」というものが紹介されていました。家でタタミと「いつか男のスカートが流行るかもしれない」という話になり、あさりは「将来ファッションデザイナーになって男物のスカートをデザインする!」と言い出します。
作中では神田先生のスカート姿を拝む事が出来ます。これは喜ぶべき事なのか、それとも「彼のこんな姿は見たくなかった」と悲しむ事なんでしょうか。
「これでも読んでみろ」と言いたい
全体を通しての評価は「素晴らしい」の一言です。「男のスカート」というテーマを扱っているのに全く低俗にならず、むしろ非常に教養を感じる作品として出来上がっています。
あさりとタタミはまだ起こってもいない男のスカートブームに乗っかり、将来金儲けしようと目論みますが、机上の空論だったという事に気づき脱力。しかしあさり達のように流行に乗せられている人間というのはいつの時代も存在するわけです。その滑稽さや流行の下らなさというものを男のスカートというものを通して風刺してるようにも見えます。
あさり「流行になればなんだってナウいもん。」
あさりのこのセリフに全てが現れてるように感じます。
さらに全く違和感無く男性の民族衣装や中国の「纏足」という豆知識を織り混ぜていて、非常に教養のある作品に仕上がっています。こういう知的な漫画を読むと「男のスカート」と聞いて下品な表現しか出来ない人間の顔にあさりちゃんの単行本を叩きつけてやりたくなります。
人前でパンツを見せるのに抵抗が無いようだ
で、描かれてる事がまんまと現実化したわけですよ奥さん(誰?)。令和の今「メンズスカート」というものが普通に売られ、男のスカートというのは何ら珍しいことではありません(さすがに大流行、とまではいきませんが)。初めてこの作品を読んでからかれこれ30年以上経ったわけですが、時代がこの作品に追いついたのね、と謎の上から目線になります。しかしこれだけ時代を先取りした話を描けるとはやはりすごいなと。
時代を先取りということに因んでなんですが、あさりは序盤で男の子のズボンを無理やり脱がそうとするというセクハラ行為をしています(しかも自分はスカートを脱いでパンツを丸出し)。セクハラというと男性から女性にするもの、というのが一般的な認識でしたが女性の社会進出に伴い、女性から男性へのセクハラも増えているらしいです。あさりの悪事も時代の先を行ってたという事か(違う)?