と言う事はタタミもブ‥
指輪を手にして文字通り人が変わってしまったタタミです。あさり、ママ、ブリュンヒルデを密室に閉じ込めた上、容赦無く殺そうとします。三人は部屋からの脱出に成功したものの、タタミが「生きてていいのはブスだけ。美人は皆死ね!」という呪いをかけたせいでブリュンヒルデは死んでしまいます。悲しいかな、あさりとママは無傷。
ブリュンヒルデは死ぬ間際に言葉を残します。それはブリュンヒルデが持っていた聖剣はジークフリードのものだった事、その聖剣を使えるのはジークフリードだけ、聖剣が使えれば指輪の魔力に対抗できる、というものでした。
ブリュンヒルデが死んでしまったことにより、あさりとママはタタミから何としてでも指輪を取り返す!と決意。
いざ戦いの場へ。そして‥
タタミのもとへ行ったあさりとママ。絶体絶命かと思いきや、あさりが聖剣を手にした瞬間、突然輝きはじめます。何と英雄ジークフリードにしか使えない聖剣があさりも使えたのです。そしてタタミの指輪を壊すことに成功。
指輪の呪いがとけ、生き返ったドラゴンとブリュンヒルデがあさり達のもとへやって来ます。「自分も英雄だったんだ!」と有頂天になっているあさりに対し、ブリュンヒルデは全てをぶち壊す言葉をあさりに言い放ちます。
以下、この話の一番重要なところかと思われるので、詳細は実際に読んで頂きたいわけですが、聖剣が使える事が何を意味しているのか、という事をブリュンヒルデは説明します。ブリュンヒルデ、かなりひどい事言ってます。
その後、無事にあさり達はもとの時代に帰り、物語は終わります。
相変わらず大長編はクオリティが高かった
かの「ニーベルングの指輪」をモチーフにした大長編だったわけですが、よくまあこんな話を描けたなと(褒め言葉です)。これまでの大長編らしくギャグも満載で、随所に美女が出て来たりと読み応えがあります。室山先生自身がちゃんとニーベルングの指輪の本質的なところまで理解していないと描けないですし、もし描いたとしても不完全燃焼の作品で終わってしまうわけで。「自他共に認める読書家」と先生自身も言ってましたが、それが本当によくわかり、非常に教養があるのだろうとも思いました。そして最終的にジークフリードをそう利用したか、というまとめ方。あさりとジークフリードの接点の持たせ方も秀逸です。
最初のレビューにも書きましたが、今回の大長編は勇者という言葉が出てるだけあって、ゲームのような世界感だな、とも思いました。元の時代に戻った三人の様子が描かれてるんですが、それがエンディングのようにも見えたり。
芸術作品とのタイアップってのはやり方ひとつ間違えると、芸術作品ファンに対しても漫画側のファンに対しても不快な印象を与えてしまいかねませんが、この大長編は完全に成功してるんではないでしょうか。室山先生、お見事です。
次回から14巻です。